1.はじめに
DX(デジタルトランスフォーメーション)の話題が沸騰中です。一口にDXと言ってもいろいろとありますが、その代表的な役割を簡単に言ってしまうと、「生産性の向上、あるいは業務効率アップのために、社内のあらゆる部門や資産をデジタルでつないでしまう」と言うことではないかと思われます。また、それによって、「デジタルを中心に据え置いた、新たなビジネスモデルを構築していく」「組織変革を行う」「企業としての戦略を変革していく」。
もちろん、技術的には、IoT、AI、AR/VR/MR、などこれまで個別に語られてきたものの統合、そして量子コンピュータへの期待などがありますが、ここでは、そうした技術的なことではなくて、「DXを使う側、特にマーケティング視点」に的を絞ってみます。
かつて、もう20年も前に、マイケル・ポーターが競争戦略論の中でバリューチェーンというのを提唱しましたが、それをもっと、デジタルによって強固にして行くもの、ともいえるかと思います。
ただし、ビジネスモデルが異なる。リモートであったり、パーソナライズが必要であったりと。
実はこの姿、長年、DRMがデジタル無しの時代から積み上げ来た方法なのです。
2.DXとDRMの親和性
DRMは「レスポンスを獲ること」、これが第一の目標です。第二の目標が顧客化させること、そして第三の目標が顧客を優良顧客化させていくことです。それを行うためには様々な部署間との連携が必要になり、まさに、DXが目標とすること、古い概念で言えばバリューチェーンのようなことも必要になります。しかし、そのDXもバリューチェーンも口で言うほど簡単ではありません。ところが、マーケティングにしぼってみると、DRMはこのDX的なこと=バリューチェーン的なことをアナログな手段でやってきました。
これはシステムを開発、あるいは運用していく上ではとても重要なことです。それは何のためにDXないし、バリューチェーンを導入するのかが明確になるからです。
さて、DRMでは、このDX的なこと実現させるためにフローチャートを描きます。DRMで必要なフローチャートは3種類あります。
コミュニケーションのためのフロー
メディア実行のためのフロー
そして、インフラを動かすためのフロー(主にデータの流れ)
これらフローについては、また別の機会に扱いたいと思いますが、端的に言えば、フローを描いてみると、マーケティング部門の役割、営業部門の役割、コンタクトセンターの役割、場合によって物流部門・生産部門などの連携を図ることがいかに重要かと言うことが分かるようになります。
3. DX導入の障害
大きな会社になればなるほど、各部門は反目し合うことが多いと思います。その様子はエミーとコータ 野菜編でも描かれています。しかし、こうした状況は顧客からすれば、どの部門も同じ企業ですから困るわけです。社内でバラバラであると、いわゆるたらいまわしになり、CX(顧客体験)を悪化させます。
最近ではDX関係のツールもたくさん出ています。マーケティングがガラリと変わる可能性を秘めています。DX的なことを実現させようとすると、行程がとても複雑になるため、システムに委ねます。そしてそれにより、DRMが理想とする姿を実現させるための条件が整いつつあります。
とは言うもの、実際にそれを使いこなして、社内を回している企業は極々わずかでしょう。中小企業からすると高値の華でなかなか手が出せない。では大きな会社ならスムーズに導入できるのかというと、それも多くの場合、障害があります。
日本の場合、どうしてもツールやアプリケーションを入れてやったつもりになってしまうことが多く、結果、「〇〇を入れてもうまくいかなかった」と言うことになりがちです。
あるいは単純につかいこなせない。社会で担当する人を見出せない。と言うケースも多いです。
4.DX実現のために
それを回避するためには、よく、「目標を明確にすること」などと言われますが、その目標を立てるのが難しいわけです。
まずは自社の流れをフローに起こしてみること。ツールやアプリケーションを使う場合には、まずはそのフローに合うことを見つけること。そうすると、どこに課題があるのか?その課題を克服するために何をするべきか?と言うのが見えてきます。前述の3つのフローに呼応させると、
顧客との接点、流れを作るために、どのような部門がどのように関与していくのか?
具体的なマーケティングコミュニケーションを実現させるために、どのような部門がどのように関与していくのか?
顧客データをどの部門でどのように使っていくのか?
それはDRMが長い年月を経て積みあげてきた方法が解決するはずです。
また、答えはDRMにあります。
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